2022年2月25日現在、ウクライナはロシア軍の侵略を許し、首都キエフが攻撃されている状況です。ウクライナは西欧諸国とアメリカからの軍事的な支援が一切なく、孤立しており間もなく陥落すると思われます。これを見通していたのか、外国為替は日本円が売られる展開になっています。普通であれば戦争など有事になれば日本円が常に買われる展開になるはずが、なぜか売られる展開になっているのです。
戦況
現在ウクライナは首都キエフにロシア軍が侵入しており、それほど長くはもたない状況です。まもなくウクライナは陥落すると思われます。ロシア軍はウクライナの民間人も多数殺害しており、人道的な面でも非難を浴びています。ロシアの主要都市では反戦デモが広がっていますが、当局により武力鎮圧されています。
日本円がなぜ売られるのか
戦争、疫病など有事には必ずと言っていいほど買われる日本円。しかし今回の戦争では状況が少し異なっています。ウクライナが追い詰められている状況とは反比例するように日本円が売られる展開になっているのです。これには深い理由があります。
国連
2月24日国連安全保障理事会ではロシアのウクライナ侵攻に関して即時撤退を求める決議案が提出されましたが、ロシアが拒否権を行使、中国が棄権したのです。もはや国連は機能不全に陥っているとも捉えられます。
NATO
ウクライナ人が期待しているのはNATO軍による軍事介入です。しかし現在のところNATO軍は一部を派兵しているのみで、積極的な介入は避けています。この優柔不断な態度がロシアを強気にさせており、ウクライナを窮地に追い込んでいるのです。
アメリカ
アメリカ軍も東ヨーロッパに7000人増員しましたが、ロシア軍20万人と戦う力はなく、本格的な参戦はできていない状況です。アメリカは中国制裁で集中しており、東ヨーロッパまで手が回りません。またロシアの後ろには中国がいることから安易に手を出せない状況にあります。
経済制裁
ヨーロッパ諸国もアメリカもロシアに対して経済制裁を科していますが、全くロシアには効いていません。ロシアは天然ガスと石油の世界有数の輸出国であり、アメリカもヨーロッパもロシアの資源にかなり頼っています。ロシアを制裁するということは自国の身を切ることにもなるため、積極的に制裁ができないのです。プーチンはそれを知っているため、ウクライナを攻めることができているのです。
来週の為替予想
ヨーロッパ諸国とアメリカが中国問題や資源の問題を抱えているため、ロシアに積極的に介入できないことをトレーダーはすでに見抜いています。それを証明するように日本円が売られる展開になっているのです。来週以降もヨーロッパとアメリカの弱腰対応が続くと予想され、引き続き日本円が売られる展開になるでしょう。原油価格が暴騰していることからオーストラリアドルやカナダドルは引き続き暴騰する可能性があります。その一方で、欧米諸国の軍事介入があれば暴落相場へ転換するでしょう。
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